2008-06-14 丹沢湖
2008年 06月 16日
ただ、フライロッドを湖で振りたかったのである。そんな動機づけ。
丹沢湖でバスを釣るのは難しい。少なくとも自分はそう感じている。
最近、湖畔に立った時の自信の無さときたらない。
オカッパリの厳しさを知っている。
但し定点で湖の、魚の状態を観察できるのはオカッパリだ。
動かないで湖と、魚と対峙するのはオカッパリだ。
対峙するのはそれだけじゃない。己の落ち着きの無さとじっくり向いあうのだ。
さぁ、釣りを始めよう。
釣れていない自分は、すっかり弱気になって想像力に乏しいアングラーに変貌する。
そこに投げて釣れる訳がない。そこを通して釣れる訳がない。消極的。
生命感無し。駄目だ丹沢湖、魚いねぇ。勝手に決めていた。
ふと浅場に魚が現れた。コイか。んっ?いや、バスだ!ランカーだ。
いる。いるぞ。
そしてそうこうしている間に、今度は背びれが出そうな超浅場でライズが起った!
これまたグッドサイズのバス2匹が猛然と小魚を追っている。
そして間抜けた顔をしていたであろう自分に近づいてくる。
バスだ、ライズだ、さぁそこにフライを投げよ。
頭の指令に対し、体がうまく反応しない。フライラインはもっと反応しない。
フライは距離も伸びずに着水した。バスは悠然と泳ぎ去ってしまった。
夕刻まで。バスに対する高揚はその瞬間のみ。
釣れない湖の目に焼きついた瞬間のあれはしっかりした体格の大きなバスだった。
あれが、ブラックバスだ。奴らはそうそう簡単に釣れてはくれないのだ。
釣れてしまってはいけないのだ。昔の印象そのままだ。
あれがブラックバスだ。自分の追っているブラックバスだ。
by strum0411
| 2008-06-16 02:00
| Angling